来週は盆と正月がいっぺんにくるぞ!!

tetta2006-04-19

最近、哲太の悪い癖というのは、何を買おうにしても
その商品をインターネットで調べては、
ユーザーレビューを気にしすぎること。
今日も、資格の勉強をしようと思って、散々迷った挙句、
選んで買った参考書が、その資格の参考書の売上ランキング
に載っていなかったもんだから、やっぱ返品して、この1位と2位の
を無難に買っといた方がいいのかな…なんて思っていたんだけど、
ほんじゃあその内、オレはジュース一本買うにも
ネットで売上ランキングを調べるんかよ!!とアホらしくなってきたのでした。
なんだか世の中の、それもネット上の書き込みなんていう、
おおよそ目安程度の情報を鵜呑みにしてしまい、自分の価値観が
薄れていってしまっているようで恐ろしい。
こんな時、哲太を救ってくれたのが、丹角先生。
押入れを整理していたら、父上が昔読んでいた漫画、
水木しげる作品集:テレビくん」
その中で、"錬金術"という短編に出てくる人物なのであるが…。





とあるジリ貧親子3人が、猫の頭を金に変えようと
必死の形相で奮闘する所から話は始まる。
3人はもう、何年もの間、何百回と錬金術に失敗しているが
決して辞めようとせず、錬金術の先生こと丹角先生(ねずみ男)
の言うことを信じて疑おうとしない。
だが、度重なる失敗に息子の三田は、この錬金術に疑問を持つようになる。
ある日3人は、丹角先生の言う通り、唐土伝来の「もがりの術」を試したが、
当然いつもの様に失敗に終わり、家は大爆発を起こす。
ガレキの下からまた起き上がり、「ひひひ」と笑いながら
再び錬金術を試そうとする親を見て三田はシビレを切らし
丹角先生を訪ねる。
そして、これ以上両親を錬金術でまどわさないでと懇願する。
するとねずみ男こと丹角先生はこう言う。
「まどわす?ばかな。お前達が幸福になったのは錬金術を始めたからじゃないか。
瓦が金になりはしないかという果てしない希望。
それによってもたらされる充実した日々…」
三田は言う。
「だけど錬金術からはいつまでたっても金は出なかったじゃないか」
すると丹角先生(ねずみ男)はこう言い返す。
錬金術は金を得ることではなく、そのことによって金では得られない
希望を得ることにあるんだ。人生はそれでいいんだ………」
そしてこう続けた。
「この世の中に これは価値だと声を大にして叫ぶに値することがあるかね
すべてが"まやかし"じゃないか」
三田はハッとして、元来た道をトボトボと後にして話は終わる。

ねずみ男がこんな哲学的な事を言うなんて…。
でも、三田同様、ハッっとさせられました。